ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」 [オペラ]
今朝、2週間ぶりに6時に起きて早朝ウォーキングしてきた。
もう朝の6時は十分に明るくなっている。
2週間前に咲き始めた桜はもうほとんど散っていた。
ウォーキングしながらドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」(3枚組)を聴き終えた。
昨年末くらいから5、6回は繰り返し聴いた。
ついでに20年前に買っていた原作本を読み返し、数年前に買ったまま観ていなかったDVDも観た。
1.原作本
メーテルランク作 対訳「ペレアスとメリザンド」
杉本秀太郎 訳(岩波文庫)
2.DVD
ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」
ピエール・ブーレーズ指揮
ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団・合唱団
メリザンド・・・アリスン・ハーグレイ(ソプラノ)
ペレアス・・・ニール・アーチャ(テノール)
ゴロー・・・ドナルド・マクスウェル(バリトン)
他
3.CD
ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
メリザンド・・・フレデリカ・フォン・シュターデ(ソプラノ)
ペレアス・・・リチャード・スティルウェル(テノール)
ゴロー・・・ヨセ・フォン・ダム(バリトン)
他
妻に先立たれた王子ゴロー(アラフォーくらい?)は森の中をさまよっているうちに素性のわからない若い女メリザンド(ハタチに満たないくらい?)に出会い、彼女を後妻に迎えて城に戻る。
やがて城ではゴローの腹違いの弟ペレアス(20代の青年?)とメリザンドが親しくなるが、最初のうちは二人の仲を子どもがじゃれ合っているくらいに思っていた。ところがとうとう不倫を疑ったゴローは二人の逢引きの現場でペレアスを剣で殺す。
ゴローは二人に関係があったかどうかをメリザンドに問い詰めるがわからないまま、メリザンドは出産後の病床で息絶える。
ドロドロした愛憎劇だが、「不思議ちゃん」のメリザンドが清楚で妖精のようにはなかく切ない存在でありながらも、男たちを惑わせる魅力があるのだ。
ドビュッシー作曲のオペラも原作同様にとりとめのない音楽である。
いわゆるアリアがなく(1曲だけアカペラのアリアらしい歌があるが)、ずっとレチタティーヴォと歌の中間のような朗唱で、これといった印象に残るようなメロディを挙げることができない。
歌もオーケストラの演奏の一部のような音響の世界である。
旋律を楽しむといった趣きはないのであるが、ボクはオペラというよりも歌唱つきの交響詩のような感覚で聴いていた。
ドイツロマン派音楽のように「こってり」してないし、イタリアオペラほどは「甘く」ない。抑揚はあるもののフランス近代音楽だけあって品よく淡々とした音楽である。
ドビュッシーの交響詩「海」が好きな人なら馴染める世界だと思う。
DVD盤のメリザンド役ハーグレイはコロコロしたおばちゃんであるが、遠目にはきれいな人である。声は透明感があって清楚なメリザンドである。
ペレアス役アーチャは繊細な草食系青年で、ゴロー役マクスウェルのいかにも肉食系中年男との対比がわかりやすい。
ハーグレイのメリザンド
CD盤は、とにかくカラヤンの音作りが耽美的で、浸っていてうっとりとする。
ボクはカラヤンのチャイコフスキーやドヴォルザークの演奏はわかりやすいのだけれど、繰り返し聴いていると飽きてしまうので好きではない。
でもつかみどころのないようなドビュッシーだからこそ、カラヤンの表現が冴えていると思う。
ベルリンフィルの音がとても美しい。
もちろんシュターデのメリザンドが絶品である。カラヤンが彼女の起用にあたって「理想のメリザンドにめぐり合えた」と会見したといわれるだけあると思う。
シュターデの歌は清楚で優しくて心地よい。
当時の細身で可憐なシュターデのメリザンドを観られたらどんなにすばらしいだろうかと思うが、残念ながら映像は残っていないようである(若い頃の美しいシュターデはロッシーニの歌劇「チェルネントラ(シンデレラ)」のDVD映像で観られる)。
シュターデのチェルネントラ
このCDではぼおっと聴いていると弟ペレアスも貫禄があって兄ゴローとの区別がつきにくいのが唯一の難点だと思う。
もう朝の6時は十分に明るくなっている。
2週間前に咲き始めた桜はもうほとんど散っていた。
ウォーキングしながらドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」(3枚組)を聴き終えた。
昨年末くらいから5、6回は繰り返し聴いた。
ついでに20年前に買っていた原作本を読み返し、数年前に買ったまま観ていなかったDVDも観た。
1.原作本
メーテルランク作 対訳「ペレアスとメリザンド」
杉本秀太郎 訳(岩波文庫)
2.DVD
ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」
ピエール・ブーレーズ指揮
ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団・合唱団
メリザンド・・・アリスン・ハーグレイ(ソプラノ)
ペレアス・・・ニール・アーチャ(テノール)
ゴロー・・・ドナルド・マクスウェル(バリトン)
他
3.CD
ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
メリザンド・・・フレデリカ・フォン・シュターデ(ソプラノ)
ペレアス・・・リチャード・スティルウェル(テノール)
ゴロー・・・ヨセ・フォン・ダム(バリトン)
他
妻に先立たれた王子ゴロー(アラフォーくらい?)は森の中をさまよっているうちに素性のわからない若い女メリザンド(ハタチに満たないくらい?)に出会い、彼女を後妻に迎えて城に戻る。
やがて城ではゴローの腹違いの弟ペレアス(20代の青年?)とメリザンドが親しくなるが、最初のうちは二人の仲を子どもがじゃれ合っているくらいに思っていた。ところがとうとう不倫を疑ったゴローは二人の逢引きの現場でペレアスを剣で殺す。
ゴローは二人に関係があったかどうかをメリザンドに問い詰めるがわからないまま、メリザンドは出産後の病床で息絶える。
ドロドロした愛憎劇だが、「不思議ちゃん」のメリザンドが清楚で妖精のようにはなかく切ない存在でありながらも、男たちを惑わせる魅力があるのだ。
ドビュッシー作曲のオペラも原作同様にとりとめのない音楽である。
いわゆるアリアがなく(1曲だけアカペラのアリアらしい歌があるが)、ずっとレチタティーヴォと歌の中間のような朗唱で、これといった印象に残るようなメロディを挙げることができない。
歌もオーケストラの演奏の一部のような音響の世界である。
旋律を楽しむといった趣きはないのであるが、ボクはオペラというよりも歌唱つきの交響詩のような感覚で聴いていた。
ドイツロマン派音楽のように「こってり」してないし、イタリアオペラほどは「甘く」ない。抑揚はあるもののフランス近代音楽だけあって品よく淡々とした音楽である。
ドビュッシーの交響詩「海」が好きな人なら馴染める世界だと思う。
DVD盤のメリザンド役ハーグレイはコロコロしたおばちゃんであるが、遠目にはきれいな人である。声は透明感があって清楚なメリザンドである。
ペレアス役アーチャは繊細な草食系青年で、ゴロー役マクスウェルのいかにも肉食系中年男との対比がわかりやすい。
ハーグレイのメリザンド
CD盤は、とにかくカラヤンの音作りが耽美的で、浸っていてうっとりとする。
ボクはカラヤンのチャイコフスキーやドヴォルザークの演奏はわかりやすいのだけれど、繰り返し聴いていると飽きてしまうので好きではない。
でもつかみどころのないようなドビュッシーだからこそ、カラヤンの表現が冴えていると思う。
ベルリンフィルの音がとても美しい。
もちろんシュターデのメリザンドが絶品である。カラヤンが彼女の起用にあたって「理想のメリザンドにめぐり合えた」と会見したといわれるだけあると思う。
シュターデの歌は清楚で優しくて心地よい。
当時の細身で可憐なシュターデのメリザンドを観られたらどんなにすばらしいだろうかと思うが、残念ながら映像は残っていないようである(若い頃の美しいシュターデはロッシーニの歌劇「チェルネントラ(シンデレラ)」のDVD映像で観られる)。
シュターデのチェルネントラ
このCDではぼおっと聴いていると弟ペレアスも貫禄があって兄ゴローとの区別がつきにくいのが唯一の難点だと思う。
博学ですね[揺れるハート]・・・俺が最近仕入れた知識は、トミカのミニカーが誕生日して今年で40年、スーパーソニックランナー(!?)が発売されることです[落胆した顔]・・・。子供が毎日、騒いでますんで[悲しい顔]
by 闇のギャルソン (2010-03-28 08:23)
piano♪ さん
人間国宝 さん
don さん
ひでさん さん
まこきち さん
[ハート]ありがとうございます[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-03-28 20:41)
まこきちさん、こんばんは。
「博学」とは恐れ多いです。むしろ「雑学」でしょうか、好きな音楽についての知識は興味をもって調べてみると自然に身につくものです。
今はネットでいろいろと調べられるから便利です。
誰しも自分の感性だけは良くも悪くもこの世で唯一のものだと思います。
ボクが子どもの頃にもトミカはあったのでしょうが、当時は米マテル社のミニカーが一般的でした。だからマスタングなどのアメ車に憧れていました。
by 松本ポン太 (2010-03-28 21:23)
メリザンドという女性に会ってみたいです。
by mignon (2010-03-29 09:06)
mignon さん
Sarah Mania さん
[ハート]ありがとうございます[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-03-30 23:23)
mignon さん、こんばんは。
メリザンドのような女性だったらボクもイチコロかもしれませんね。
ボクの奥さんも出会った頃は「不思議ちゃん」でしたが、今はすっかりたくましくなりました[ふらふら]
by 松本ポン太 (2010-03-30 23:25)
TAICHI さん
crybaby さん
[ハート]ありがとうございます[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-04-01 21:33)
えっちゃん さん
[ハート]ありがとうございます[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-04-06 00:10)
・ハーグレイのメリザンド
・シュターデのチェルネントラ(シンデレラ)
のYouTube動画をはめ込んでみました[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-04-06 00:12)
クロッカーさん
[ハート]ありがとうございます[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-11-09 18:20)
実は近日中に,フォーレの組曲版を取り上げますので[嬉しい顔]
by クロッカー (2010-11-09 18:26)
あっ、あれですね(笑)
ボクも大好きな曲です[嬉しい顔]
by 松本ポン太 (2010-11-09 18:42)