映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」 [映画]

今日8月1日は「映画の日」。たまたまゴールディンウィークの休日出勤分の振り替え休日を申請していたので、家族3人で映画を観に行くことにした。

3人で入場料3000円で安く観られた(でもポップコーンと飲物はけっこう高かった)。

数日前から何の映画を観に行こうかと妻と話していて、夏休みはどうしても子供向けやファミリー向け映画が多いなかで、ウチの妻はまるで男の子趣味で「トランスフォーマー」が観たいというので、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」にした。

息子もつい最近TV放映された「トランスフォーマー」の第1作、第2作ともハマっていた。 ウチの家族で観に行くには無難な選択だったと思う。

ボクも最近は感性が老化というか鈍化しているようで、シリアスな作品は昔ほど受け付けなくなっているので、「トランスフォーマー」はちょっと長くはあったが何にも考えないで楽しめてよかった。

残念なのはヒロインの女優さんがいかにもモデル上りって感じだったが、あまりそそられるタイプでなかった。今回の第3作では、第1作、第2作の野性味のあった女優さんが降板して代わっていたが、前の女優さんのほうがまだよかったと思う。オジサンにとってアクション娯楽映画にもヒロインの魅力が大きなウエイトを占めているのだ。

妻は主人公の青年サムが相棒のロボット生命体バンブルビーを命懸けで助けに行こうとするシーンに感動して涙を流していた。ボクはそこまでロボット生命体に感情移入できないなぁ~と思った。

それにしてもメカがガチャガチャぶつかり合う戦闘シーンは、幼年時代に玩具をぶつけ合って遊んでいた感覚を呼び醒まされる。

「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」予告編

 

「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」予告編

 

同じ映画でも予告編の作り方で、シリアスSFだったり、ポップなアクションSFだったり、印象が違ってくるものだ。 


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映画「僕と妻の1778の物語」 [映画]

この3連休にウチでゴロゴロしているのももったいないし1日くらいはレジャーらしいことがしたい、妻に日帰り温泉にでも行こうかと誘ってみたのであるが、妻は寒い時期に温泉には行きたくないというので、久しぶりに映画を観に行こうかということになった。

とくに映画館に観に行きたい映画があったわけでもないが、「僕と妻の1778の物語」は竹内結子さんがちょっと気になっていたことと、数日前にテレビでこの映画のCMを見たのが心に残っていたので、この映画にした。

中1の息子も誘ってみたが、こういう映画は苦手だというので、妻と二人で観に行った。


車で大型ショッピングセンターに行って、そのなかのワーナーマイカルシネマでチケットを買ってから、書店で時間をつぶしたりベーカリーカフェで昼食を食べたりしてから、上映時間になった。

ポップコーンとウーロン茶を買ってから、ガラ空きの指定席に座った。


映画のほうは結末がわかっているし起伏に富んだストーリーでもないが、お涙頂戴になりそうなところを淡々とユーモラスに描いていて、感動というほど強いものはなかったが心に残るものがあった。

だんだんと弱っていく妻 節子を演じる竹内結子さんが美しく、彼女を支えているようで実は彼女に支えられている夫 朔太郎の姿もけなげであった。
ドラマの「僕の生きる道」シリーズも好んで観ていたが、朔太郎を演じる草彅剛さんは本作でも飄々とした味を出していた。
SF作家の朔太郎が毎日妻に書き続けるショートショートの、ロボット、宇宙船、宇宙人などファンタジックなシーンをところどころに挿入しているのが楽しい。

ボクはどうしても節子に自分の妻を重ねてしまう。もし妻がボクよりも先に余命いくらなどと宣告されたら、自分には何ができるだろうかと思った。
ボクは朔太郎のように毎日妻にショートショートを書いて笑わせることなどできないが、ときには寒いギャグや下ネタを飛ばして妻に「受け」狙いしている。そんな心情で朔太郎に感情移入していた。

レギュラーサイズのポップコーンが多過ぎて妻は少ししか食べなかったので、ボクはガツガツ食べながら観ていた。妻は泣くほどの映画ではなかったと言っていたが、登場人物や後ろの客のすすり泣きにつられて泣いていた。
ボクはそんな妻の手をギュッと握った。

ボクは妻の存在を今は当たり前のように思っていたが、この映画を観て妻と一緒に生きていられる幸せを実感した。
ボクの勝手な思いだろうが、妻には先立たれたくない。


「僕と妻の1778の物語」予告篇
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「ミュージック・オブ・ハート」~映画と実話~ [映画]

なぜか「エルム街の悪夢」のウェス・クレイヴンが監督した

「ミュージック・オブ・ハート」(1999年 アメリカ)

は実話に基づいた音楽映画で有名な作品である。

主演はヴァイオリン教師ロベルタ・ガスパーリ役でメリル・ストリープ、友人の教師役でラテンポップス歌手グロリア・エステファンも共演している。

この映画を先にテレビ放映で観たが、すいぶん以前にNHK-BSで放映されていた実話ドキュメンタリー

"Small Wanders - Roberta Tzavaras and Her East Harlem Violin Program"
(邦題「ハーレムのヴァイオリン教室 ~ロベルタ先生と50人の子どもたちの奇跡~」1995年 アメリカ)

もDVDにダビングしたままだったので、思い立って映画と実話ドキュメンタリーの両方を観た。 


離婚して子ども2人連れのシングルマザーのロベルタは、ヴァイオリン教師の職を求めてニューヨーク・イーストハーレムの公立小学校にやってくる。
ここで非常勤教師として、選択性カリキュラム(課外授業)のヴァイオリンのクラスを受け持つ。
貧しい家庭の子どもたちばかりが相手なので、楽器は彼女が用意した50挺のヴァイオリンを貸し出している。それで最初は50人から始まったのであるが、後には3校で1年間に150人くらいを教えるようになったという。

ロベルタは、集団レッスンで集中できない子や、家庭で練習できない子など問題を抱えた子どもたちに厳しく臨んでいく。イタリア移民のラテン気質からか、熱く、ときには汚い言葉を浴びせて子どもたちをまくし立てる。
遅刻したり楽器を忘れてくる子、やる気のない子には容赦なく「出て行け!」と切り捨てる。
そんなロベルタに応えて、ヴァイオリンを自ら望んだ子どもたちはメキメキと上達していく。
ヴァイオリンの難しさに投げ出そうとする子どもに「難しいからって、やめてはダメ!」と諭しているが、本当は教えることを投げ出しそうになっているロベルタ自身に言っているのだ。

やがて10年も続いたヴァイオリンのクラスが、役所の支援打ち切りにより存続の危機に直面する。
これを友人・教師仲間の計らいでマスコミ報道され、やがてはスターン、パールマンといった大物ヴァイオリニストの協力を得て、カーネギーホールのコンサート開催にまでこぎつげ、多くの支援を集めて乗り切っていくといった話である。

映画ではロベルタの二人の息子との確執やロマンスなども描かれているが、それ以外のエピソードやレッスン風景はドキュメンタリーに忠実である。
メリル・ストリープはこのロベルタ役のためにかなりヴァイオリンのレッスンを積んでいて「弾きぶり」ではなく実際に弾いた音が映画で使われているらしい。難曲ではないにしてもしっかりしたボウイングで実演しているのでヴァイオリン教師の演技にリアリティがある。

ドキュメンタリーでは校長先生が語っていた「芸術は道具ではない」「人間はアーティストなんだ」という言葉は胸にずしりと響いた。

存続の危機に立たされたヴァイオリンプログラムも、その後は「オーパス118財団」となって続いているらしい。


実際にロベルタが使っていたのが日本のヴァイオリン基本教材のスズキ・メソッド(「鈴木鎮一バイオリン指導曲集」)である。
映画でもドキュメンタリーでもこのなかから「キラキラ星変奏曲」「メヌエット(バッハ)」などが演奏され、クライマックスのカーネギーホールではバッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」ニ短調BWV1043 第1楽章が、スターン、パールマン、ベル、五嶋みどり等々著名なヴァイオリニストとともにロベルタとハーレムの子どもたちによって大合奏されている。

このハーレムの子どもたちは、家庭・経済・社会環境の厳しいなかでとてもハングリーに、かつ心から楽しんでヴァイオリンと接している姿が感動的である。
ボクが半ば強制的に始めさせたわが息子のやる気があるのかないのか判然としないような態度とはまったく違う。
映画でも息子がよく練習していたような曲を弾いているだけに、息子がヴァイオリンを始めたての頃は、この映画の熱いロベルタに感化されて、ボクも息子につい熱くレッスンして、よく泣かせていた。今にして思えばそれがよくなかったかもしれない。



"Music of Heart"予告編


その後の「ハーレムのヴァイオリン教室」(2008)


映画より バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」第1楽章


実際の映像 バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」第1楽章

               *    *    *       

ところで手前味噌ながら(何度も貼り付けた動画なので今さらと思われるだろうが)息子とボクの演奏である。


息子とボク バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」第1楽章

妻が夕飯の用意をしている隣で弾いていたので、トントンと包丁の音が入っている。
ボクは気楽にジャージ姿だったが、妻にはだらしないカッコでアップして...とブチブチ言われた。
息子は当時小3であった。
粗い画像のせいか、海外からは二人を「父と子」とは思わずにボクのことを大きいほうのお兄ちゃんくらいに誤解しているようなコメントもあった
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映画「オーケストラ!」 [映画]

金曜日の広島出張の後、引き続き今日(日曜日)の千葉出張のため昨日は新幹線で移動した。その足で渋谷に寄り道した。

ゴールデンウィーク中の関東出張のときも移動日に映画「ドン・ジョヴァンニ」を観たが、昨日はそのとき売り切れで観られなかった「オーケストラ!」(原題"Le Concert" 2009年 フランス)を観に、再び渋谷のBunkamura「ル・シネマ」にやって来た。
渋谷駅のコインロッカーは満杯だったので、ゴロゴロと大きな出張カバンを引きずって「ル・シネマ」に着くと1時間半後の16時のチケットをゲットできた。カウンターで出張カバンをサービスで預かってくれたので助かった。
上映時間までは、今回もHMVに寄ってヘレヴェッヘの「マタイ受難曲」やブーレーズのドビュッシー5枚組のCDを買ってしまった。休日にしんどい思いして出張してるんやからこれぐらいええやろと自分に「ご褒美」である。

さて映画のほうであるが、ありえない話と思いながらもオケ好きのボクはハマってしまった。
旧ソ連時代にユダヤ人演奏家をかばったマエストロが、今はボリショイ劇場の掃除夫をやっている。掃除中にフランスの劇場から受信した招待公演依頼のFAXをパチって、かつてのオケ仲間とともにニセのボリショイ劇場オーケストラを組んでパリ公演するといった話である。
元マエストロはフランスの若手女流ヴァイオリニストをソリストに指名してチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏するが、ここに秘密が隠されている...。

見ていてハラハラ、ドキドキ、笑わせて、最後の演奏シーンでは涙腺の弱くなったボクは思い切り泣かされてしまった(朝ドラ「ゲゲゲの女房」でもけっこう泣かされている)。
2ヶ月間ヴァイオリンのレッスンを受けたというソリスト役の女優メラニー・ロランの弓使いには物足りなさを感じたが、カトリーヌ・ドヌーブを彷彿とする美しい人なので見とれていた
ボクはあまりチャイコフスキーは好きではないが、この映画を観終わった後はチャイコンを聴きたくなって、千葉に移動する車中、WALKMANに入れていたメニューヒンのモノラル録音を聴きながら、映画の余韻に浸っていた。


「ル・シネマ」の入り口に作曲家胸像のガチャポンがあった。バッハ・モーツァルト・ベートーヴェン・ブラームス・チャイコフスキー・ワーグナー・シューベルト・ショパンと書いてあった。ボクはバッハ・モーツァルト・ベートーヴェンあたりが欲しいと思って300円入れてダイヤルを回した。残念ながらハズレ、いちばん欲しくなかったワーグナーであった。


Bunkamuraの冊子(表紙はメラニー・ロラン)、ガチャポン玉、映画のパンフ


ガチャポンのワーグナーの胸像


映画「オーケストラ!」予告編


チェイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 演奏シーン
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映画「ドン・ジョヴァンニ」 [映画]

この連休中は関東方面の2ヶ所の工場設備メンテナンスの工事だった。
4月28日に出発し、神奈川県の橋本で3泊、5月1日に千葉県柏市に移動して3泊、計6泊7日の出張ツアーで、今日4日にやっとウチに帰って来た。
せっかくの連休を家族と離れて過ごすのは寂しかったが、途中の橋本から柏への移動日5月1日だけはフリーであった。
2時間もあれば電車移動できるので、ホテルをチェックアウトしてから次のチェックインまで、どうやって時間をつぶそうかと思った。

新聞の映画館案内を見ると、渋谷のBunkamura ル・シネマというところで、『オーケストラ!』(2009年 フランス)という映画をやっているのでこれを観に行こうと思った。
新聞評でも話題になっていて、体制の弾圧かなにかで現在は劇場の掃除夫をしている元指揮者が、同じく迫害された元団員を集めたオーケストラを編成して海外公演するというハチャメチャなストーリーを読んでいたので気になっていた。

20年ぶりくらいの渋谷で、今はすっかり田舎者になってしまったボクは、当時はなかったBunkamuraを探すのに苦労した。
有名なオーチャードホールがあるくらいは知っていたが、Bounkamuraというくらいだから屋台村のような集落のような一画を思い描いて道玄坂辺りを歩き回ったが、それらしい場所がない。
人に道を尋ねるのが苦手なボクは、何度も「109」に戻っては街路地図を確かめてやっとたどり着いた。
けっきょくは東急百貨店の別館みたいなビルであった。

6階の映画館ル・シネマに着いてはみたものの、話題の『オーケストラ!』は夕方まで売り切れだったので諦めた。
しかたなく併映の映画『ドン・ジョヴァンニ ~天才劇作家とモーツァルトの出会い~』(2006年 イタリア・スペイン)を観ることにした。
上映時間までは、HMVでCDを買ったり、昼食にファーストキッチンでハンバーガーを食べて過ごした。CDはブーレーズのシェーンベルクとピリスのショパンを買った。

さて映画のほうはモーツァルトの有名なオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を題材にした音楽映画で、もちろんオペラのシーンが多い。音楽はモーツァルトに限らずヴィヴァルディ『夏』も流れている。ビブラートの少ない古楽器演奏が使われているところが、マリナー指揮のモダン楽器演奏だった映画『アマデウス』(1984年 アメリカ)と比べて「現代的」に思えた。
作曲家モーツァルトよりもオペラの台本作家ダ・ポンテを主人公にした映画なので、モーツァルトは脇役である。

ヴェネツィアの聖職者だったダ・ポンテは好色男カサノヴァを文学の師匠と仰ぎ、女遊び・放蕩に耽ったあげく国外追放される。サリエリを頼ってウィーンでオペラ台本家の仕事を得て、同年代のモーツァルトと意気投合しいっしょにオペラの仕事に取り掛かる。
ところどころフォアマン監督の映画『アマデウス』をほうふつとする箇所がある。
オーケストラを指揮するモーツァルトのパンク少年っぽいカツラ姿やはじけた性格描写は『アマデウス』の影響だろう。
『アマデウス』ではオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の騎士長の亡霊を父レオポルドを恐れるモーツァルトのファザコンと重ねていたが、この映画ではダ・ポンテ自身の放蕩癖をドン・ジョヴァンニと重ね合わせて描いている。

ボクはオペラ「ドン・ジョヴァンニ」はテレビで何度か観たが、序曲やアリア伴奏をアマオケ「東京ロイヤルフィル」で弾いたこともあるので、映画を観ながらワクワク興奮してしまった。
カサノヴァ像はフェリーニ監督の映画『カサノバ』ほど異様なものではなかったが、ダ・ポンテとのかかわりをはじめて知った。

モーツァルト好きにはたまらない映画である。


映画「ドン・ジョヴァンニ」予告編
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