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ミュージカル「メンフィス」 [ミュージカル]

今日は妻がビデオに録っていたミュージカル「メンフィス」を妻といっしょに観た。

2010年のトニー賞受賞作品である。

1950年代のテネシー州メンフィス、まだ人種差別の厳しいこの地で、白人の青年DJが黒人音楽をラジオやテレビ番組で紹介し、周囲に反対されるなかで黒人の女性シンガーと恋仲になるといったストーリー。
時代背景や設定から「ドリームガールズ」もかぶる雰囲気もあった。

妻もボクも圧倒的な歌唱に途中何度か涙してしまった。

ヒロイン演じるMontego Gloverという人は歌もよいがなかなかセクシーで見とれてしまった。


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My Funny Valentine [ミュージカル]

かつて毎年この時期になると憂鬱であった。

ボクは社交的なほうではないし孤立していたことが多いので、もちろん女子から相手にされることがなくバレンタインデーは寂しいものであった。

高校生になってもボクには彼女はできなかったが、友人どうしで悪ふざけして、いかにもモテないヤツのクツ箱に女の子からのプレゼントに見せかけてバレンタインチョコレートを忍ばせた。
その同級生がニヤニヤしている様子を見て冷やかしたりして、ボクも仲間うちでほくそ笑んでいた。それこそfunnyなバレンタインだったが、彼に劣らずモテないボクは内心はとても寂しい気持ちだった。

その後も妻と出会うまでは毎年バレンタインデーの頃は憂鬱であった。
ひがみもあったが、何よりもこの期間はボクの大好きなチョコレートを男が自分で買いに行くのが屈辱的なことに思えて、こんな習慣をつくった日本の菓子メーカーを恨めしく思ったものだ。

それでも職場の義理チョコと保険の外交員のおばさんのサービスのチョコくらいはもらった。息子を可哀相に思ったのか母がくれたこともあった。
その後、女子社員は申し合わせて義理チョコを自粛し、保険会社もケチになってチョコをくれなくなった。

結婚後は妻が焼いてくれる「本チョコ」のチョコケーキが心の支えになっている。といっても今はボクだけではなく息子にも向けられたプレゼントである。
でもボクにも男のプライドがあって、ボクのほうから妻に「ちょうだい」とは言えない。

*      *      *


バレンタインデーというのはキリスト教司祭の聖ウァレンティヌス(=バレンタイン)が殉教した命日にちなんだといわれ、血塗られた謂れ(いわれ)があるようだ。
ローマ皇帝がローマ軍の兵士が出征したがらなくならないように、結婚や婚約を禁止していた。これに背いて聖ウァレンティヌスは、恋人たちをひそかに結婚させていたという罪で処刑された。
それ以来、恋人たちの守護聖人として信仰されてきたということらしい。

バレンタインデーに因んだ血生臭いエピソードとしては「聖バレンタインデーの虐殺」も有名である。
禁酒法時代のギャングの帝王アル・カポネが、警官に扮装させた殺し屋をガサ入れを装って敵のマフィアに差し向け、敵のアジトで数名を虐殺した事件で、TVドラマ「アンタッチャブル」やギャング映画では有名なシーンである。

*      *      *


そのようなバレンタインデーは好ましく思えないが、ジャズのスタンダードナンバー『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』"My Funny Valentine"だけはとてもいい曲だと思う。

作曲したリチャード・ロジャース(1902-1979)は、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』(1959)、『王様と私』(1951)、『南太平洋』(1949)、『オクラホマ』(1943)の作曲家として有名である。
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」は作詞家ローレンツ・ハート(1895-1943)と組んだミュージカル『ベイブス・イン・アームス』のナンバーで、ミュージカルそのものは有名ではないが、トニー・ベネットやフランク・シナトラのカバーでヒットして名曲になった。インストゥルメンタルではマイルス・デイビスもカバーした。


MY FUNNY VALENTINE
(music: Richard Rodgers, lyrics: Lorenz Hart)

(verse)

Behold the way our fine feathered friend
His virtue doth parade
Thou knowest not my dim witted friend
The picture Thou hast made
Thy vacant brow and Thy tousled hair
Conceal Thy good intent
Thou noble upright, truthful, sincere
And slightly dopey gent


(refrain)

You're my funny Valentine
Sweet comic Valentine
You make me smile with my heart
Your looks are laughable
Unphotographable
Yet you're my favorite work of art
Is your figure less than Greek
Is your mouth a little weak
When you open it to speak
Are you smart?
But don't change a hair for me
Not if you care for me
Stay little Valentine stay
Each day is Valentine's day!



この歌詞を自分なりに訳そうかと思ったが、英語の苦手なボクにはとくにverseの部分は格調高く古典英語も使っているそうで、慣用句などわからないので諦めた。
Yahoo翻訳、Excite翻訳など試みてもfunnyな訳になって、わけがわからなくなるばっかりなので、他の方のサイト

YouTube動画で覚えよう英語の歌  ゆうこ さん
My Funny Valentine 私のへんてこ…  かおりん・うさこ さん  

の訳などを参照されたい。


要するに女子が男子に宛てたラブ・ソングであるが、男子の名前がバルとかいって、それとバレンタインをかけていること。その男子のことをブサイクだ、こっけいだとこき下ろしながらも彼への想いを打ち明けている。

*      *      *


お気に入りのCDは前回の「オーヴェルーニュの歌」に続いて、フリッカ(=フレデリカ・フォン・シュターデ)のソプラノである。
フリッカの最盛期はカラヤン、バーンスタイン、小澤、アバド、プレヴィンなど有名指揮者から引っ張りだこであった。その反動からか最盛期を過ぎた頃に、もともと彼女の憧れであったミュージカルやポップスのナンバーも歌うようになった。

この頃のCDには

「サウンド・オブ・ミュージック」
「ショウ・ボート」

などミュージカル全曲録音がすばらしい。フリッカならではの清楚・チャーミングな歌唱で聴かせる。

"MY FUNNY VALENTINE"「マイ・ファニー・ヴァレンタイン~ロジャース&ハートを歌う」と題されたアルバムはロジャース&ハートのミュージカルから名曲を選りすぐったものである。
ジョン・マッグリン指揮ロンドン交響楽団のシンフォニックでときにはジャズっぽいオーケストレーションのなかで、オペラティックであったりミュージカル調の歌唱で、ゴージャスに聴かせている。彼女独特の中高音の優しく柔らかな声質も心地よい。

バラード調の曲は情感豊かな歌唱のなかで、ときどき聴かせる「笑い」がすばらしい。例えば"My Funny Valentine"はマイナーなしみじみとした曲調のなかにみせるfunnyな味わいが魅力的である。歌詞の"Is your mouth a little weak"の部分の"a little"の歌い方がとてもチャーミングでウルッとくる。
"Atlantic Blues"などの軽快なナンバーはとても明るく愛くるしい。YouTubeではこの"MY FUNNY VALENTINE"1曲だけがアップされていたが、他にもすばらしい歌唱が聴ける。



マイ・ファニー・ヴァレンタイン~ロジャース&ハートを歌う
 フレデリカ・フォン・シュターデ(メゾ・ソプラノ)
 ロンドン交響楽団
 ジョン・マッグリン(指揮)

1. My Funny Valentine
2. I Must Love You
3. I Didn't Know What Time It Was
4. Moon of My Delight
5. Ev'rybody Loves You
6. Ship Without a Sail
7. Quiet Night
8. To Keep My Love Alive
9. Love Never Went to College
10. You're Nearer
11. If I Were You
12. Bewitched,Bothered and Bewildered
13. Now That I Know You
14. Bye and Bye
15. Atlantic Blues
16. Where or When
17. Falling in Love With Love



他にもフリッカがよりポップス調で軽く歌ったアルバム"Flicka"もボクの愛聴盤である。
こちらはオペラっぽさをまったく感じさせない自然な発声で歌われているが、優しく柔らかい声にさわやかなお色気も加わって、とてもスウィートなヴォーカルである。聴いてもらえるサンプルがないのが残念である。



Flicka - Another Side Of Frederica Von Stade

1. I Like To Recognize The Tune
2. Spring Is Here
3. Play Me Your Light
4. Lullaby
5. I Could Write A Book
6. He Is My Man
7. Once Again
8. The More I See You
9. Wait 'Til You See Him
10. That's All
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バーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー」 [ミュージカル]

先週BSで放映していた映画「ウエスト・サイド物語」をDVDにダビングしていたのを観た。
むかしもテレビで観たことがあったが20年ぶりくらいだった。

クラシックなミュージカルナンバーなので説明するまでもないが、「ロミオとジュリエット」を下敷きに、ニューヨーク下町の二つの不良グループ(白人系の「ジェッツ団」とプエルトリコ系の「シャーク団」)の縄張り争いのなかでおこるトニーとマリアの悲恋・悲劇をミュージカル仕立てにした物語である。

おそらくミュージカルの舞台ならともかく、映画としてリアルに見ていると、ヤンキーの兄ちゃんらの整然とした鮮やかなダンスに、格闘シーンまでが見事なバレエで、おまけに20~30代くらいの俳優がティーンエージャーを演じているのに突っ込みたくなる。
でもいったんミュージカルの世界にハマってしまうと、ダンスと歌のアンサンブルに魅了されてしまう。

「マンボ」「マリア」「アメリカ」「トゥナイト」など名曲ぞろいである。「マリア」の二重唱などは映画版では必ずしも上手ではないが、聴いていて泣けてくる。


プロローグ


マンボ


マリア


アメリカ
(サビのメロディーの6/8と3/4の変拍子が斬新)


トゥナイト


どこかに(Somewhere)

レナード・バーンスタイン(1918-1990)は1957年に39歳のとき(ニューヨークフィルの音楽監督就任の前年)にこのミュージカルを作曲した。映画音楽ではマーロン・ブランド主演の社会派の映画「波止場」、他にミュージカル「キャンディード」、純音楽としては交響曲、ロックを取り入れた「ミサ曲」なども作曲している(ボクは「ミサ曲」のLPを持っていて、むかしよく聴いていたがとても親しみやすい)。
バーンスタインは作曲方面ではブーレーズのように前衛的な作風ではなかったので、指揮者としての活躍のほうが広く知られている。
それでもこの「ウエスト・サイド・ストーリー」は十分に広く後世に残る名作だと思う。
ヒューマニズムと大衆性を持ち味とした作曲家/指揮者であった。

映画ではバーンスタインは作曲家として名を連ねているだけで、演奏に関わっていないようだが、1984年にオペラ歌手を起用して録音した自作自演盤CDがある。


http://www.hmv.co.jp/product/detail/2577908[『ウェスト・サイド・ストーリー』 
バーンスタイン&オーケストラ、テ・カナワ、カレーラス ]

メイキングビデオもリリースされていてYouTubeにアップされている。
このバーンスタインの映像を観ていると胸が熱くなってくる。



バーンスタイン/テ・カナワ(ソプラノ)/カレーラス(テノール)

映画よりも実力のある歌手ばかりなので、音楽的には充実していて盛り上がる。しかし、あまりにベテラン歌手を起用しすぎた。
カレーラスの張り裂けるような甘いテノールは悪くないが、テ・カナワは(セリフの声は悪くないのだが)老けた太い声質の上に歌い上げ過ぎているのが鼻について、清純なマリアに合わない。マリアの兄の恋人アニタのイメージである。もっと若々しい声質のソプラノを使ってほしかった

最近の録音で、ソプラノのバーバラ・ボニー盤ヘイリー盤のほうが清純なマリアを聴けるかもしれない(ボクはどちらも持ってないが)。


ヘイリーの「トゥナイト」


ヘイリーの"Somewhere" 曽我大介 指揮/関西フィル

この80年代の「ウェスト・サイド・ストーリー」の録音くらいから、オペラ歌手を起用して、名作ミュージカルをシンフォニックに録音されるようになった。
キリ・テ・カナワは好きではないが、何枚かミュージカルのオペラバージョンのCDを持っている。いずれも映画で好きだった名作ミュージカルである。

「マイ・フェア・レディ」
 ジョナサン・テュニック指揮/ロンドン交響楽団

「南太平洋」
 ジョン・モーセリ指揮/ロンドン交響楽団

やっぱり、ボクはフレデリカ・フォン・シュターデの若々しい優しい声が好きで、彼女の歌ったミュージカルを愛聴している。

「サウンド・オブ・ミュージック」
 エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス・オーケストラ

「ショウ・ボート」
 ジョン・マッグリン指揮ロンドン・シンフォニエッタ
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ミュージカル「美女と野獣」 [ミュージカル]

12月に入ってから、出張の新幹線の中や、父の入院で何回も実家に帰省したときの車のナビなどでミュージカルのCDを何枚か聴いた。
もともとはシュターデの歌うミュージカルナンバーを聴きたくて、何枚かミュージカルのCDを集めていた。
「美女と野獣」はブロードウェイ・ミュージカル版なので、クラシック系のミュージカル録音とはちょっと趣が違う。


 「美女と野獣」ブロードウェイ・ミュージカル版
   作曲:アラン・メイケン
   作詞:ハワード・アシュマン、ティム・ライス
   台本:リンダ・ウールヴァートン
   編曲:ダニー・トゥループ
   キャスト:
     ビースト・・・テレンス・マン
     ベル・・・スーザン・イーガン
     ガストン・・・バーク・モーゼス
     他

ディズニーアニメミュージカル版では、フルオーケストラのシンフォニックでゴージャスな編曲だったと思うが、ミュージカル版では、「ストリングス付きバンド」といったようなちょっと薄い編曲なので、舞台鑑賞ではよくても、CDで音楽に集中して聴くには少々物足りない気がした。
ベルの歌手も上手い人ではあるが、オペラチックな発声ではなくポップス・ロック調で線の細い歌声なので、おとぎ話の清純なヒロインというよりも今どきの「女の子」といった印象である。
薄いオーケストレーションのなかでも、フルートやオーボエのソロはとてもよかった。
スタンダードなミュージカルナンバーほどではないが、"Beauty and Beast"など何曲かはとてもいい曲がある。

             *      *      *

ディスニーアニメ「美女と野獣」は、結婚前に妻の部屋でレンタルビデオを借りてきていっしょに見たことがあった。
二人とも感動して涙を流していた思い出がある。
その後、新婚時代に劇団四季のミュージカルで「美女と野獣」を妻と見に行って再び感動して、購入したのがこのブロードウェイ・ミュージカル版のCDであった。
子どもができるまでは、「クレイジー・フォー・ユー」や「エビータ」などは劇団四季公演を妻と聴きに行った。
ヒューストンオペラの「ポギーとベス」も聴きに行った。

その後、子どもができて、夫婦それぞれに家庭や仕事に忙しくなったり、経済的な余裕もなくなってきて、ミュージカルもオペラも聴きに行かなくなった。
いつか、子どもが巣立っていって時間の余裕ができたら、行きたいねと言っている。
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